【超基本】トイレの選び方と種類
今回はトイレの選び方について説明をさせて頂きます。
- 排水芯など設置条件を確認しよう
- ご要望に合わせた提案を仕様
簡単にお伝えをするとそんなところです。ですが、これらでどんな選択肢があるのかを知らないと提案の仕様がありません。その為どんなトイレがあるのかを紹介させて頂きます。
必要なモノ
- メーカーカタログ
- 現調資料
- 現調写真
トイレの種類ってのどんなものがあるの?
まず提案の前にトイレの種類について考えてみましょう。トイレは大きく分けて①組み合わせタイプ②タンクレスタイプ③収納一体型の3種類があります
①組み合わせタイプ
便器とタンク、便座がそれぞれ分離しているタイプで一般的なトイレで一番普及しているのではないでしょうか。
便器とタンク、便座が分離しているので将来壊れてしまった時に便座部分だけの交換ができるというメリットがあります。また、比較的安価に出来る事もメリットです。
デメリットは接続部や溝が多くお掃除をする面が多いという事です。
②タンクレスタイプ
人気のタンクレストイレ。タンクがない分空間を広く感じることが出来て凹凸が少ないのでお掃除も簡単です。組み合わせタイプと比較してお値段が高くなるケースが多いです。ウォシュレットが壊れた際には部分的な交換がメーカーさんのみになるのでメンテナンス面でデメリットかもしれません。意匠的にこだわりたい方が選ばれるケースが多いです。ポイントとして手洗いをどこでするのか?によって別に新設する必要があります。
③収納一体タイプ
タンクレスのようにすっきりとしたデザインでおしゃれかつ掃除が容易です。収納が確保できるのも魅力的です。実はタンクは背面の真ん中に隠れているので後述する水圧の問題もありません。気を付けなければならないのはタンクが隠れていると知らないでそこも収納だと思ってらっしゃる方が多い事です。同じ収納一体タイプでも種類によっては収納力が変わりますのでご希望もしくは提案をする場合にはその意図をお客様と共有するようにしましょう。また、収納部分を壁に固定する為、壁面の補強工事が必要になり費用と工期が他のタイプより必要となるトイレですので注意しましょう。
設置条件から考えるトイレの選び方
排水芯を確認する
トイレの設置条件で必ず確認をしなければならないのが排水管の位置です。これを業界では排水芯と言います。現在の排水芯の確認方法は別記事で紹介をさせて頂いておりますが、新しいトイレの排水芯についても確認をしましょう。これはメーカーカタログにも記載をされておりますし、メーカーの提案サービスを利用する際にも指定する事が出来ます。詳しい説明はいつか記事にしますが、壁もしくは縦の配管に排水するタイプはマンション用のトイレを選定しておかないとトイレが今よりも前について空間が狭くなってしまうというリスクがあるので注意しましょう。
タンクレストイレの時には水圧を確認する
タンクレストイレの際に注意しなければならないのが水圧です。山などの高台にあったりマンションが高層マンションであったりすると満足な水圧が確保できていないケースがあります。そうすると流せません。実はトイレのカタログを見ると「水圧0.2MPaの時」など注意書きがあります。実際自分達では分からないと思いますので水道屋さんや先輩に相談をしてから提案をするようにしましょう。
トイレの設置条件を確認する
収納一体タイプやリモデル手洗い器などを利用する場合には部屋の大きさ、下地状態が条件になっているケースが多いです。収納部分が固定できる補強壁になっているのか、収納が入るおおきさがあるのか、などなどです。補強はされてない事がほとんどなので新規に収納一体タイプにする時には補強工事が必要と思っておきましょう。
機能的な面から考えるトイレの選び方
一番聞かれる節水型のトイレ
お客様に要望を頂く事が一番多いのは「節水タイプにしたい」だと思います。
結論的に言いますと今のトイレはほとんどが節水タイプです。少なくとも現行品で節水タイプで無いトイレを私は知りません。
ただ、詳細を知りたい方もいると思いますし、提案する側としてはどれくらいの節水なのかは知っておいた方が良いでしょう。例えばTOTO製品で考えると大の使用時で3.8~4.8Lの水を使用します。これは1987~2001年のTOTO製品として約71%の節水効果となります。
さらに提案を深めると家の水の使用量が多いのはどこか考えてみましょう。
キッチンでしょうか?浴槽に水をためるからお風呂でしょうか?
そう、一般的にはトイレが家の中で一番水を使っている場所と言われています。その割合としては約28%です※。そのトイレの水道代が1/3になったら経済的な効果は大きくないですか?つまり水道代が8~10%くらい安くなる可能性があります。そんなお話をして差し上げるとお客様もきっと喜んでくれるのではないでしょうか?
これはもちろん節水効果はトイレの使用回数に左右されるので要注意です。例えば一人暮らしの方と5人家族の方ではトイレの使用回数は全然違うでしょうし、お仕事がテレワークかどうかでも変わってきます。その辺りはお客様によって説明を使い分けるようにしましょう。
他にも便座を節電タイプ(TOTOのアプリコットなど)にする事で電気代が抑えれられる可能性がある事も覚えておきましょう。
また、節水タイプであるが故のお困りポイントを相談頂く事もあります。
それは水の量が少ないために今まで一回で流せていたのに紙が残ってしまい2回流さないケースがあるということです。特にトイレットペーパーがそうなります。その為お客様には必ずそんなケースがある事をお伝えしましょう。
お掃除の簡単なトイレ
メーカーから考えるトイレの選び方
どのメーカーさんもお客様に喜んでもらえるための工夫を独自にしていますのでそこも知っておきましょう。お掃除のし易さへのアプローチからリノベめがねの独断と偏見で抜粋した特徴を紹介します。
TOTO
セフィオンテクトときれい除菌水
お掃除のし易さとの前に汚れの付きにくさに着目した工夫が素晴らしいです。他のメーカーが焼きあがった陶器にお掃除のし易いコーティングをするのに対してTOTOはセフィオンテクトという特殊なガラス層を焼き付けています。その為100万分の1㎜というナノレベルで滑らかに仕上がっておりキレイを保てます。
きれい除菌水は水道水からトイレが勝手に除菌水をつくってくれる機能でそれが様々な場面で活用されます。例えば使用する直前にシュッとミスト上にされた除菌水がボウル面に吹き付けられることで汚物の付着を防ぎます。その他にもノズルを掃除してくれたり匂いを抑える機能もあって非常に優秀な機能です。
LIXIL
100年クリーン
『アクアセラミック』という「頑固な水垢」も「汚物」も落とせるコーティングが素晴らしいです。ISOの準拠した抗菌(銀イオン)パワーは優秀で傷も付きにくいので長い期間使用してもらうことが出来ます。
100年クリーンの名はだてではないです。
また、お掃除リフトという便座を持ち上げる機能も優秀です。他のメーカーさんの便座も脱着がしやすく掃除がし易いのですがLIXILの便座は両手が開いた状態でリフトアップしてくれるのでお掃除がしやすいです。
Panasonic
独特の形状と激落ちバブルと有機ガラス
Panasonicのトイレはかなり特殊で好みが分かれる印象です。まず目に入るのは四角い独特の形状。これは男性もゆったりと座って用を足せるように包み込むような安心感を演出してくれているそうです。女性は少し吸い込まれそうで怖いという意見も。。
その素材も他メーカーでは陶器を採用しているのに対してこちらは有機ガラスを利用しています。飛行機の窓は水族館のガラスと同等らしく普段掃除しにくいけどきれいを保ちたい場所に活躍している素材です。
流す度に食器洗い用洗剤を利用した泡が大量に出てくれて掃除をしてくれます。細かいところまで掃除をしてくれるので日々の掃除が簡単にきれいを保ちやすくなります。
お客様にメリットとなると思ったら提案をしてみよう
紙巻き器やタオル掛け
実際には交換しなくても大丈夫なんですが、結構傷んでいる場合があります。せっかく大きな金額を支払っておトイレを交換するのに傷んでいたら悲しいものです。あとで気づいて悲しい想いをさせないように事前にご相談をしてみましょう。あくまで提案なのでお客様が不要であれば無理に交換する必要もありません。
収納
トイレットペーパーやお掃除グッズなど様々なものがトイレに置けると便利です。カタログにも掲載されているので提案をして差し上げましょう。
写真のような棚板一枚をつけてカゴを利用してもらってもおしゃれでいい感じにまります。
内装
トイレを交換するとトイレがきれいになった分、感じるのが「うちのトイレってこんなによごれていたんだ。。」です。トイレ交換と一緒にやってしまえば1日で出来る事がほとんどですが、あとでやろうと思うと若干厄介です。トイレがあるので床材はトイレの形にくり抜くしかないので継ぎ目が多くなります。そこを目地材で埋めたとしてもそこは汚れやすくなります。その為せっかくならせめて床材だけでも張替えを提案してみましょう。
ご要望に合わせた提案をしよう
以上のようにトイレの交換だけでもたくさんのポイントがあります。まずはどんなトイレがあってお客様のお宅にはどんなトイレが設置できるのか?お客様の要望に合っているトイレはどんななのか?を考えてみましょう。要望と設置条件が合っていないのであればどう合わせて要望を叶えるか?などの方法もあり、もっともっと奥が深いですが、今回提案をさせて頂いた内容は「超基本」です。これらの知識をもとに先輩やお客様ときちんとお話を重ねて喜んでもらえるような提案をしましょう。