住みながらリノベーションできるの!?在宅工事での大変さを具体的にご紹介
リノベーションを提案している中で必ずと言って良いほどご質問を頂くのが「住みながら工事できますか?」
結論的には絶対にオススメしません。今回はその理由とお住まいながらでも施工できる場合についてお話しさせて頂きます。
リノベめがねは2010年からリノベーション専門会社に勤めている建築士で全国のデザインコンテストの受賞歴があります。様々なお客様と出会い経験したことをもとにリノベーションを身近に感じてもらえるブログを目指しています。
住みながら工事ってどういう事?スペース編
住みながら工事(以下在宅工事)をするってどういう事なのかをイメージしてみましょう。スペースで考えます。まず、生活に必要な空間は食事をする場所寝る場所、いわゆる寝食のスペースです。そして生活には家具家電も合わせて必要ですのでそれらを置くスペースも必要です。次に工事をするスペースです。工事にはまずは実際に工事をする場所、そして作業をする場所が必要です。一見同じ場所で良さそうなのですが、例えば大工さんがフローリングを切るには丸のこという工具が必要です。フローリングの梱包もそこにはあるでしょう。釘などの工具もたくさんあります。それらを作業する場所においての加工は困難でして、別々に場所を確保する必要があります。これら生活に必要なスペースと工事に必要なスペースを同時に確保する大変さがあります。
住みながら工事ってどういう事?工期・費用編
工期・費用の面から考えてみます。後述しますが在宅で工事が出来る場合は施工範囲を限定するか複数回に分けるかです。施工範囲の限定は問題ないのですが、複数回に分ける場合にはざっと工期も費用も1.5~2倍になります。それは職人さんが何回も作業をする事になるからです。例えば水道屋さんはキッチンの水道管工事やお風呂の水道管工事を同時に出来るのに工事が分かれている為に何回も来なければなりません。その他にも大工さんや電気屋さん、他の職方さんもいっぺんに出来る事を何回にも分けてやらなければならないので効率が下がります。その為工期も費用も多くなってしまうんですね。
住みながら工事ってどういう事?ストレス編
工事中には騒音やほこりがどうしても出てきてしまいます。職人さんも気を使ってくれますが、限界があります。また、あっそうかと言われつつももっとも大変かなと思いますのがストレスです。工事中は大工屋さんや設備屋さんなどのいわゆる職人さん以外にも問屋さんなど複数の人が出入りします。ざっと20~30人はいると思います。いくら信頼できる業者さんでも知らない人が出入りすのは相当なストレスになります。裏側的な事を申し上げると工事中はどうしてもいろんな事が気になります。ここはどうなるんだろう?あれはどうなってるんだろう?等々。業者さんも説明をしてくれると思いますが、聞くあなたのドキドキは多大なストレスになる事と思います。
住みながら工事をできる場合1
工事の範囲がお家の面積に対して半分以下、かつお風呂かキッチンのいずれかが残っている場合でしたら工事が出来る可能性が高いかと思います。つまり部分的な工事です。具体的には①生活スペースが確保できる②施工箇所にあった荷物・家具を置くスペースが確保できる③寝るスペースが確保できる、最低限この3つのスペースがあれば心労的なリスク以外はクリアできるかと思います。面積が半分以下の理由は寝食のスペース確保に最低限必要な範囲だからです。また、キッチンとお風呂を同時に施工をしてしまうと水お湯の確保が難しいのでいずれかは残っていた方が良いでしょう。
住みながら工事を出来る場合2
上記の①②③を守りながら複数回に分けて工事をする場合です。つまり工事を2~3回行うという事です。提案としましてはLDKの工事、お風呂洗面の工事、最後に居室と廊下の工事を順々に行うのが良いでしょう。また、一つ一つの工事の間には2週間位の猶予を設けましょう。それは一つの工事が終わった後には新しい工事に備えて家具を動かす必要があるのとあなた自身にも休憩が必要だからです。個人的にはもっと猶予があっても良いと思う位です。引越を自分達で4回工事をする感覚になるのですから。。ただしこれらの方法でやる場合は間取り変更はあまり出来無いという事も合わせてご注意ください。
工事は在宅と空家どちらがいいのか
いかがでしたでしょうか?今回は脅すような言い方になってしまっているかと思います。僕としてはそれだけ大変でストレスが掛かる事だというのをお伝えしたかったです。もし、それでも在宅での工事を望まれるのでしたら業者さんと細部まで打合せをして覚悟をもって望まれるのがよいでしょう。例えばせめて家具だけ残してご自身たちは仮住まいをしましょう。もしくはその逆に家具だけは倉庫に預けましょう。などの提案をきっともらえるはずです。